院長ブログ
2012年5月25日 金曜日
スキルス胃癌・・・続き
前回はスキルス胃癌について書きましたがスキルス胃癌を発見することが出来るんだというところで終わっていましたので今日は続きを書きたいと思います。
さあではどうしたら発見できるのでしょうか。ここでもうひとつ誤解されている方が時々いらっしゃいます。
それはスキルス胃癌は内視鏡よりレントゲン検査(バリウム検査)の方が発見しやすいと思っている人です。外来で時々そういう質問を受けます。
これは進行癌のことです。時々、早期のスキルス胃癌が学会や研究会などで発表されますが、その発見の契機はほとんど内視鏡検査です。
スキルス胃癌は胃の内腔表面(粘膜表面)に露出しにくく、壁のなかを這うように広がるから発見しにくいのですが、粘膜面にも色調など多少変化が起こります。
早期がんの段階でそのわずかな変化を捉えられるかどうかがポイントです。レントゲン写真は白黒ですので色調はわかりません。
実はこれが難しいので早期発見が困難なのですが、そのためには以前の所見を参考にしながら定期的に検査を行うことが重要です。
前回所見との変化も重要なのです。
また内視鏡の機器も拡大機能や狭帯域光観察などの特殊な機能を持つようになって、観察能力は確実に向上しています。
同じスキルス胃癌で手術をされましたが、ご健在でいらっしゃる王貞治さんは頻回に内視鏡検査を行われていたと聞いています。
ですから、私も少なくとも1年に1度の内視鏡検査を受けられることをお勧めしています。
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