院長ブログ
2010年12月13日 月曜日
大腸内視鏡検査で私が心がけていること
大腸内視鏡検査は、”苦痛は少なく、観察は十分に”ということを常に心がけています。大腸内視鏡検査は、私が医者になったころはまだ頻繁に行われる検査ではありませんでした。それが最近では胃腸を専門にしている病院ではほとんど行われるようになってきました。そこには便がきれいになるような薬の開発や内視鏡機器の性能の発達などさまざまな進歩が関係しています。しかし、最も大きな要因は術者、つまり医者の技術の向上でしょう。本来大腸はくねくねと屈曲が多く、その中に硬い内視鏡を挿入していく際には押し進めるだけでは腸が伸びて入らず、さらに患者さんに苦痛まで与えてしまいます。そうならないためにはなるべく空気を入れないで腸をたわませ屈曲をまっすぐにしながら入れなければなりません。なかなか文章で説明しにくい微妙なテクニックが必要なのですが、その方法もかなり浸透してきて、挿入するのが上手な医者が多くなってきました。特に熊本県はそういうドクターが多いことが知られていますし、私の周りにもたくさんいらっしゃいます。以前は大腸の検査を何分で終われるか、というのが競われるような時代もありました。しかし今は、時間を競う時代ではありません。一番大切なのはどれだけ見逃しがなく正確な検査ができるかです。また、定期的に行う必要があるのに苦痛があると二度としたくないと思われてしまいます。
つまり、いかに苦痛がなく正確な検査ができるかということが大切なのです。
次回、大腸内視鏡の際の私の工夫について書きたいと思います。
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